【四国旅客鉄道】観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けの ものがたり」訓練運転を密着取材

四国旅客鉄道(JR四国)は、観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けの ものがたり」の訓練運転を重ね、アテンダント等の乗務員養成を行っており、訓練練運転時の試乗取材を実施した。

「志国土佐 時代(トキ)の夜明けの ものがたり」は土佐流のおもてなしで楽しむ列車旅をコンセプトにした観光列車で2両編成全車グリーン車指定席(定員47名)の特急列車として高知~窪川駅間で運転する。

立志と開花  列車の旅で綴る 二つのものがたり

築城四〇〇有余年、高知城が見守る高知市街地、高知駅を出発した「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」は、坂本龍馬ら幕末の志士たちが決死の覚悟で踏破した脱藩の道と一部並行しながら、窪川駅へ向かう。 日本の、世界の夜明けを信じて志を貫こうとした、幕末の志士たちへ思いを馳せるのもこの旅の醍醐味。 龍馬が志をもって旅立つ様子をイメージし、下りの便名には「立志の抄」と名付けた。

脱藩の道を歩んだ志士たちの志は、明治時代から現在まで続く大きな価値観の転換期へひとすじの光をもたらしました。文明開化による新しい時代の夜明けは、険しい状況のなか志士たちが咲かせた大きな一輪の花。 時代の夜明け「文明開化」と、下り便の「立志」に対して偉業を成し遂げ凱旋する様子、夢を成し遂げた誉れとして上り便名には「開花の抄」と名付けた。

窪川駅を15時10分に出発する高知行「開花の抄」に乗車しての取材を行った。

窪川駅では「志国土佐 時代(トキ)の夜明けの ものがたり」車両入り口で専任のアテンダントが出迎えてくれた。

沿線ガイドや停車駅などでは地元の方による高知の「景色」「豊かな食」「温かな人柄」に出会える土佐流のおもてなしを楽しむことができる列車の旅を提供してくれる。

1号車「KUROFUNE」は果て無き青空のもと、仲間達と新たな時代への「志」を語りながら大海をゆくを蒸気船をモチーフに、文明開化期から萌芽する19世紀末芸術を想起させるデザインをあしらった。

2号車「SORAFUNE」 は大空のその先、大気圏を突き抜けた宇宙空間までにも繋がる未来への「夢」をコンセプトに、レトロSF小説で描かれる空想科学上の宇宙船をイメージしている。

窪川駅を出発した列車はカツオの一本釣りで有名な漁師町でもある土佐久礼駅に停車した。

土佐久礼駅停車中には地元の特産品などの販売が行われた。

発車前には専任のアテンダントが鐘を鳴らして駅の出発を知らせる。

車内では「高知家 満喫 土佐流のおもてなし コース」が提供された。

高知の山が育んだ四万十ヒノキを使った「開花の抄」の容器。

これまでのものがたり列車と異なり、沿線の主要駅から地域の自慢の逸品を提供。高知県の海・山・川の素材を用いた料理などがストーリー性のある食事となっている。

太平洋を見ながら食事を楽しむことができる。

安和駅で3分間停車、車内からは太平洋の雄大な眺めを望むことができる。

須崎駅では須崎市の「しんじょうくん」顔出しパネルとともに駅長が出迎えてくれた。

須崎駅停車中には「志国土佐 時代の夜明けの ものがたり」乗車記念パネルが用意され、記念撮影をすることができる。

ドリンクメニューの中からオリジナルドリンク(コーラ&柚子)KUROFUNEと      (ライチ)SORAFUNEが専任アテンダントのおすすめ。

吾桑~斗賀野駅間のトンネルとトンネルの間、「白石工業 土佐工場」が現れる。

佐川町出身の水野龍氏創業の「銀座カフェーパウリスタ」と同じ焙煎豆、司牡丹の仕込水を使用したコーヒーのおもてなしを受けた。

コーヒーとともに佐川駅停車中にデザート「仁淀ブルーゼリー」を配られた。

車窓には日高村地元の方による歓迎を受けた。日高村は甘みの多いトマト「シュガートマト」を使用したオムライスを提供する店が並ぶ「オムライス街道」がある。

車内では乗車記念にオリジナルグッズが販売された。

17時56分、観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けの ものがたり」は高知駅に到着した。

2時間46分の土佐流のおもてなしで楽しむ列車を満喫することができた。

4月18日より運転を開始する予定であったが新型コロナウイルスの国内感染の現状等を踏まえ、当面の間延期することとなった。

【取材協力:四国旅客鉄道(JR四国)】

今回の試乗取材にあたり、新型コロナウイルスの感染症対策としてスタッフ・乗務員・専任アテンダント・駅係員・試乗参加者はマスクの着用と車内へ乗車の度、アルコール消毒の実施を徹底しており、 マスク非着用の画像は取材撮影用である。    

(News TRAINS編集部)