【東日本旅客鉄道】山形新幹線の新型車両「E8系」を公開、カラーデザインは山形新幹線のイメージを継承したデザインに<Photo report>

東日本旅客鉄道(JR東日本)は、2月24日山形新幹線の新型車両「E8系」を報道関係者らに公開した。

【E8系の外観】
外観カラーは山形新幹線のイメージを継承しつつ、心の結びつきを感じさせるデザイン。
コンセプトデザインを、「豊かな風土と心を編む列車」とし、上部色は「おしどりパープル」、車体色は「蔵王ビアンコ」、帯色は「紅花イエロー」で配色。E3系の地域を根差したイメージを引き継ぎ、途切れなくつながる紅花イエローが、山形の風土と離れた土地にいる人々の心の結びつきを表現したという。
先頭形状は利便性向上のため最適化されたアローライン形状を採用。営業速度300kmでの走行に対応することで、速達性を向上しており、快適な車内空間を提供するため先頭長はE3系の6mから先頭長は9mとして、空力解析により最適化されたアローライン形状を採用した。

【E8系の車内】
定員は1編成あたり352名(グリーン車26名・普通車326名)。インテリアデザインは、「乗車の始まりから終わりまで山形の風土とお客様の心を結びつけるデザイン」とされた。
普通車の座席配列は横4列(2席+2席)の座席配置となっており、カラーテーマは「最上川と紅花」。通路中央部に最上川をモチーフとした柄を通し、紅花の陽に照らされる黄色から抽出される紅色へのグラデーションを座席カラーに採用。藁細工の温もりある色彩や鋳物を感じさせる質感も取り入れ、山形の豊かな風土を表現した。
グリーン車の座席配列は横4列(2席+2席)の座席配置となっており、カラーテーマは「最上川と月山」。通路中央部に最上川をモチーフとした柄を通し、針葉樹林の広がる月山の緑色と最上川の水面のゆらぎを座席カラーで表現。県木である本桜を取り入れ、新庄亀綾織の光沢感や鋳物を感じさせる質感が、山形の上質な旅を演出するという。
また、バリアフリーへの対応を充実させるため、普通車の車いすスペースを増設し、改良型ハンドル形電動車いすに対応した3席分の客室スペースと多目的室を設けた。
トイレにおいては、長時間の停電等が発生した場合でも、一部のトイレの電源をバッテリーに切り替えることで、通常通りの水洗トイレの利用が可能としている。
快適な移動空間を提供するため、AC100Vコンセントを全席の肘掛下に設置したほか、大型荷物置場(スーツケース対応)も全号車に設けた。現行のE3系と同じく車内公衆無線LANサービスも提供する。車内の安全性向上を目的に、防犯カメラを客室内とデッキ、通路部に設置する。
全車両をフルアクティブサスペンションとすることで乗り心地も向上。積雪寒冷地における輸送の安定性向上をめざし、車両への着雪対策として台車部にヒーターを搭載している。
E8系は今後、2026年春までに15編成を新造し、山形新幹線の車両置換えを進めていく。

【取材協力:東日本旅客鉄道(JR東日本)】