東海旅客鉄道(JR東海)は、東海道本線で大規模災害や不測の事態発生に備えて本線上において実際の新幹線車両を活用した実践的な「異常時対応訓練」を7月16日の深夜に実施、その様子を報道関係者に公開した。
上り列車が静岡駅を過ぎ、車内放送にて熱海~小田原間で非常に激しい雨が降り、熱海~小田原間において上下線で運転を見合わせることで運転再開に時間を要するため当該列車は新富士駅において運転を見合わせるというもの。
走行中の車内では車内放送後にパーサーよる乗客への案内を行い、新富士駅の本線上(上り本線)に停車した。
「異常時対応訓練」では新富士駅のホームに運転を見合わせる2本の列車を停車させて隣接しない上り本線とホームに隣接する上り副本線で中継台を介して渡り板を設置して乗客をホームへ案内するというもの。
渡り板は1編成16両の2号車、6号車、12号車、14号車に設置、従来の渡り板は縦156センチから245センチ(伸縮するタイプ)、横44センチのものが2号車、6号車、14号車に設置、縦175センチ、横75センチ(約30センチ幅広)、重さ10キロの幅広タイプの渡り板は11号車に車椅子スペースと多目的室を設置しているため、12号車に設置している。
従来の渡り板では車椅子を乗ったまま移乗できなかったものが2018年よりは幅広タイプの渡り板を設置することで車椅子にのったままで移乗できるようになった。
幅広タイプの新型渡り板は6月までに東海道・山陽新幹線の全編成(西日本旅客鉄道(JR西日本)所属編成含む)に設置した。
東海旅客鉄道(JR東海)によると「最近では1998年台風21号の際、実際に渡り板を使用して乗客を避難させた。」とのこと。
近藤雅文東海旅客鉄道(JR東海)新幹線鉄道事業本部運輸営業部長は「豪雨の際は長時間列車が抑止されるケースで駅間に停めないことを最優先にいち早く駅に停車するようにして安全な場所へ案内することに過ごしていただくよう。」とコメントした。
「異常時対応訓練」には駅員、運転士、車掌、パーサー、整備保守担当者、管理部門の社員約100名が参加した。
【取材協力:東海旅客鉄道鉄道(JR東海)】