【阪急電鉄】鉄道開業時の車両から最新型車両まで、阪急電車のデザインを守る舞台裏を公開<Photo report>

阪急電鉄は、「阪急電車のデザイン」が、2022年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞の受賞を踏まえて、車両のメンテナンスなどを行っている正雀工場において、阪急電車のデザインを守る舞台裏を公開した。

「阪急電車」の開業時の車両は、木製の「1形車両」が導入され、プラットホームから直接車内に入る構造を採用。片側3扉の木造ボギーの車体のほか、屋根の飾り窓に社章入りのすりガラスや木製のよろい戸などを取り入れた車両で、「阪急電車」のシンボルである車両の外装色のマルーンカラーも、この1形車両からはじまった。車両の進化とともに合成塗料が登場し、各社の鉄道も様々なカラーに変化してきたが、「阪急電車」は、開業当時の車両の色=マルーンカラーを変えることはなく、「阪急電車」といえばマルーンカラー。と、広く知られるようになり現在に至っている。「マルーンカラーの車体」、「マホガニーの木目模様の内装」「ゴールデンオリーブ色の座席」という特徴は、阪急電車のアイデンティティーとなっている。

正雀工場は全般検査や重要部検査などを担当。阪急電鉄の伝統となっているマルーンカラーに塗装する前と、塗装した後の車両を公開。
35トンクレーンで塗装済みの車両を吊り上げ、移動させるシーンなども見られた。
座席の張替えは、工場内において生地の裁断・縫製から張替えまで手作業で行われている。ゴールデンオリーブ色の座席の生地も時代により変化し、より良い座り心地へ追及を続けているという。

阪急電車の伝統を守りながらメンテナンスをする様子などの舞台裏は、これからも「阪急電車」がお客様に愛される車両を目指して歩みを続けていくことを知る貴重な機会となった。

【画像提供:阪急電鉄】