京都市交通局は、地下鉄烏丸線車両20編成のうち9編成を40年ぶりとなる新型車両に更新することで来春の営業運転開始を目指し、7月下旬に竹田車両基地に搬入された第1編成を関係者向け・報道関係者に公開した。
新型車両は京都ならではの地下鉄として伝統産業素材・技法を活用した。
外観デザインの京都市交通局章は先頭車両の側面に材質はアルミとし、一枚金属板を鎚で立体的なものや浮彫状に装飾を打ち出す金属工芸の鎚起の技法を活用し、凹凸状の鎚目模様を入れ、緑色に着色した。
内装デザインの車号標記・事業者標記の銘板は先頭車両の客室と運転室の仕切壁に材質は鉄をベースとし、小さな金鎚で純金銀をはめ込む京象嵌の技法を活用し、標記銘板の四隅には有職文様で縁起が良いとされている幸菱を施した。
中間車両の連結部通路壁に釘隠しの飾り付けは寺院などの伝統的な建築の装飾に用いられる釘隠しを、金属工芸の鏨による打ち出しや彫り技法により製作、車内装飾品のネジ隠しとして活用し、材質は銅、編成毎にテーマを定めて車両毎に異なる4種類のデザインで製作した。
第1編成のデザインは、「京の花」と「京の木」のテーマの中から季節ごとに2号車サトザクラ<春>・3号車シダレヤナギ<夏>・4号車】:タカオカエデ<秋>・5号車ツバキ<冬>を選定した。
中間車両室内の吊手について通常はプラスチック製である鞘を「北山丸太」で製作し、帯締めや羽織紐などの和装に用いられる「京くみひも」を鞘に巻き付け。鞘には「北山丸太」と「京都市交通局章」の焼印を入れ、「京くみひも」は、シンプルで馴染みのある組み方を選定し、「襲の色目」と呼ばれる平安時代以降の公家社会に行われてきた衣服を重ねて着た時の色の取り合わせを参考にし、季節ごとに4種類のデザインで製作した。
先頭車両の多目的スペース「おもいやりエリア」に設ける立ち掛けシートの構造を工夫して伝統産業の素材を飾り付けるガラス張りのスペースを設けた。
第1編成は1号車「西陣織」6号車「京友禅」の生地を飾り付けた。
10月17日に京都市内在住者又は通勤・通学者を対象に250名(小学生以下は保護者同伴)で見学会を開催する。
一団体1通で5名まで、申込方法は9月1日から往復はがきにて受付を行う。
【画像提供:京都市交通局】