東日本旅客鉄道(JR東日本)は、2016年7月16日より「食」と「お酒」、「会話」を楽しむリゾート列車「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」を小田原~伊豆急下田駅間で運転を開始した。
車両は1989年3月より常磐線特急「スーパーひたち」で使用していた651系で改造車両は1990年2月川崎重工業製で、2015年11月~2016年4月に大宮総合車両センターにて改造が実施され、全車グリーン車指定席の4両編成で、座席車3両、カウンターを備えたラウンジ車1両で構成された。
651系特急車両の力強い印象に「柔らかさ、女性らしさ」を取り入れ、リゾート列車にリデザイン。伊豆ゆかりの「桜」、「海風」、「さざ波」をピンクゴールドのラインを描き、エレガントな大人のリゾートに表現した。
1号車は、2人用の席で構成、海側のカウンター席は窓1枚に1テーブルを設置、額縁に見立てた窓枠内の流れる景色を2人で独占できる。山側の向かい合わせ席は床を10cm程度段上げし、海側の車窓に広がる景色をパノラマで見ることができる。
2号車は、物販を行うカウンターと景色を眺めながらくつろげるラウンジで構成されたパブリックスペース。
アテンダントが乗務し、食事や飲料の提供や2号車カウンターで飲食等の販売を行う。
3号車は、グループ旅行に最適な全室海側に面したコンパートメント席。伊豆の夕日をモチーフにしオレンジをベースに外装と同じ「桜」、「海風」、「さざ波」をモチーフにした柄をデザインした座席となっている。
伊豆13市町や沿線エリアの花や木をモチーフに家紋をイメージした紋様をオリジナルでデザインしたのれんもかかっている。
4号車は、1人からグループまで利用できる回転式リクライニングシートと固定ボックスシートで構成。客室内に3箇所に4人掛けのボックスシートを用意、折り畳み式のテーブルを囲みながら楽しむことができる。
車内サービスは、オリジナルメニューをプロデュースするのは女性に人気のフレンチレストラン東京目黒「モルソー」の秋元さくらオーナーシェフ。「美しく華やかな見た目で心が躍る」、「意外な組み合わせで驚きと楽しさがある」、「親しみやすく刺激的な味で嬉しさが続く」をモットーに自然豊かな伊豆の食材を使用した四季折々のIZU CRAILEオリジナルメニューを開発、素敵な風景とともに料理を楽しむことができる。
2016年7月16日、運転開始を記念して小田原駅で出発式を開催した。
コンコースにおいて、担当乗務員の森可奈東日本旅客鉄道(JR東日本)国府津運輸区主任運転士へYキャラ田辺桃子さんより、山下茉菜美東日本旅客鉄道(JR東日本)熱海運輸区主任車掌へ加藤憲一小田原市長より花束が贈呈された。
日野正夫東日本旅客鉄道(JR東日本)常務取締役、根本英紀東日本旅客鉄道(JR東日本)執行役員鉄道事業本部営業部長、渡利千春東日本旅客鉄道(JR東日本)東日本旅客鉄道執行役員横浜支社長、加藤憲一小田原市長、水上秀博小田急電鉄交通サービス事業本部執行役員旅客営業部長、秋元さくらレストランモルソーオーナーシェフ、鈴木正美東日本旅客鉄道(JR東日本)小田原駅長の7名によりテープカットが行い、運転開始を祝った。
11時38分、鈴木正美東日本旅客鉄道(JR東日本)小田原駅長、秋元さくらレストランモルソーオーナーシェフによる出発合図で、伊豆急下田駅へ向けて出発した。
2017年7月16日に運行開始1周年を迎え、小田原駅で出発式を開催した。
市川清一東日本旅客鉄道(JR東日本)小田原駅長、「ハマの電チャン」、「いずっち」が出発の合図を送り伊豆急下田駅へ向かった。
運行開始1周年を迎え、熱海駅で出発式を開催、宮原智子東日本旅客鉄道(JR東日本)熱海駅長が出発の合図を送り来宮神社例大祭の天狗によるこがしまきを実施、駅社員が列車を見送った。
6月28日に「IZU CRAILE(伊豆クレイル)LAST RUN」をもってラストランを迎える予定であったが新型コロナウイルス感染症の日本国内各地での感染拡大防止の観点から運休し、実質3月29日の運転をもって終了した。
【注・所属部署・役職等は当時のもの】
【取材協力:東日本旅客鉄道(JR東日本)】