【西日本旅客鉄道】2025年春に特急「まほろば」が定期運行化へ 車両の内外装に奈良の魅力を表現したリニューアル車両の導入も

西日本旅客鉄道(JR西日本)は、大阪・新大阪~奈良間を土休日に臨時列車として運行している特急「まほろば」について、 2025年3月15日から定期運行を開始することを発表した。

また、2025年4月からはリニューアル車両がデビューすることも併せて発表された。

特急「まほろば」は、大阪・新大阪~奈良間をおおさか東線経由で結ぶ特急列車で、12月現在は土休日の臨時列車として運転している。JR西日本は、2025年3月15日のダイヤ改正において、特急「まほろば」を土休日に定期的に運転する列車とする。

また、定期列車化にあわせリニューアル車両を投入する。3両編成2本を順次投入する。デザインは、なら歴史芸術文化村(奈良県知事公室万博推進室兼務)の松本耕士氏の協力の下、GKデザイン総研広島が監修した。

■ロゴマーク

唐草文様をモチーフとし、鹿や金魚、大和野菜など奈良らしい要素を組み込んだデザインとした

■リニューアルコンセプト
『古事記に「国のまほろば(素晴らしいところ)」と謳われ、古くから大陸の異文化をとりいれながら、多様性を受容してきた奈良は、今なお、その面影をとどめています。この世が、安寧(あんねい)の楽園となることを想い、その文化を万世(万葉)へと守り続けてきた悠久の時間。奈良を体現する 2 つの魅力「安寧」と「悠久」を新生特急「まほろば」に込めました。』

■第1編成「安寧」(あんねい)

「安寧」編成は、あふれる生命観や豊穣をあらわした金色と、奈良時代に大陸から伝わった染料に由来し、当時の宝物にも多く見られる蘇芳色(すおういろ)いろの車体カラーを暖色系のイメージで、「楽園の陽光感」を表現する。
インテリアは、座席モケットに蘇芳色のシート、奈良時代・平安時代に装飾として多く用いられた「宝相華(ほうそうげ)文様」をあしらう。

■第2編成「悠久」(ゆうきゅう)
「悠久」編成は、時の積み重ねにより、深みを帯びた仏像の経年変化を思わせる墨色と灰渋色の車体カラーとし、墨色から灰渋色のグラデーションで、「文化の万世(万葉)への継承」を車体に表現する。
インテリアは、落ち着いた墨色のシートに、奈良時代・平安時代に装飾として多く用いられた、空想上の花をかたどった宝相華文様をあしらう。

リニューアル車両は、北陸方面の特急列車で使用していた683系2000番台を改造。外観や座席モケットのリニューアルなどのほか、車内Wi-Fi、全席コンセント、荷物スペースの設置のほか、車椅子スペースの拡大する。リニューアル車両は、3両編成2本のうち、2025年4月1日に第1編成が運行開始、2025年秋頃に第2編成が運行開始を予定する。

【画像提供:西日本旅客鉄道(JR西日本)】