北海道旅客鉄道(JR北海道)は、新たな観光列車計画「スタートレイン計画」を発表した。
JR北海道ではこれまで、リゾート列車をはじめ、「SLニセコ号」「SL冬の湿原号」「富良野・美瑛ノロッコ号」「くしろ湿原ノロッコ号」といった観光列車を運行してきた。しかし、これら車両は老朽化によって既に廃車となったものがあるほか、今後も継続的に運行できる車両が少なくなってきているという。そこで、車両・運行体系・サービスなど従来とは異なる全く新しい観光列車を運行することで、沿線とともに北海道を活性化させる、「スタートレイン計画」をスタートしたとしている。
「スタートレイン計画」では、「赤い星」編成・「青い星」編成を運行する。
「赤い星」編成は、北海道開拓使のシンボル「赤星」をイメージ。
「青い星」編成は、「ラベンダー」や「青い池」をイメージ。車両のコンセプトは「新たな北海道に出逢い沿線を楽しく元気にする」とし、キハ143形一般形気動車を改造し、グレード差を設けた2編成(4両編成)を制作する。車両デザインは、JR九州の「36ぷらす3」や東急電鉄・伊豆急行の「THE ROYAL EXPRESS」を手掛けた、ドーンデザイン研究所 代表の水戸岡鋭治氏が担当する。
「赤い星」編成は、豪華仕様の「ラグジュアリークラス」に設定。定員は100人程度を予定し、個室、セミコンパートメント、ボックス席など、多様なニーズに対応する座席種別の設置を予定する。また、ラウンジや茶室なども設ける。
「青い星」編成は、上質な「プレミアムクラス」に設定。定員は、「赤い星」編成よりも多い200人程度を予定する。全車に展望室、荷棚、大型荷物置き場を設ける。
また、両編成共通の仕様として、内装には木材を多数使用し、一部には北海道産材の使用を検討しているという。大開口の窓を設けた展望室を備え、北海道の自然景観を楽しめるつくりとする。車両の改造費は、約18億円。古い車両を改造し、再活用することで、SDGsに取り組むとしている。
「赤い星」編成は主に釧路線、「青い星」編成は主に富良野線での運行を予定する。また、地域の住民と一緒に連携したおもてなしを行う、北海道を周遊するクルーズトレインとしても活用を検討するとしている。
「赤い星」編成と「青い星」編成の運行開始時期は2026年春を予定する。
【画像提供:北海道旅客鉄道(JR北海道)】