鉄道友の会は、「2024年ローレル賞」を発表し、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)「400系」と、宇都宮ライトレール「HU300形」をローレル賞(優秀車両)に選定したことを発表した。
ローレル賞の大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)「400系」は、2023年6月に中央線で運行を開始した。「宇宙船を意識させるデザインや、省エネ機器など最新水準の機器を採用していることに加え、予防保全やメンテナンスの効率化に向けた車両状態のモニタリング機能、今年度大阪港から夢洲新駅間で実証実験を予定している自動運転機能、車内設備ではクロスシートの採用や先頭車中間側妻面付近の機器室スペース部分にUSBコンセントを設置するなど、既存系列の車両とは一線を画すデザイン性と多様な需要に応える設備」が評価に繋がったという。
大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)では前身の大阪市交通局の際、1970年に堺筋線60系と1991年長堀鶴見緑地線の70系がローレル賞を受賞しており、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)としてローレル賞を初受賞した。
2024年のローレル賞は、宇都宮ライトレール「HU300形」も受賞した。宇都宮ライトレール「HU300形」は、全線新設のLRTとして国内初となる芳賀・宇都宮LRTの車両で、2023年8月26日の開業から運行を開始した。「新規開業のLRT路線における、インパクトのあるデザインの車両であることから、社会的にも大変に注目されるとともに、次世代のLRTを期待させるポテンシャルの高さからローレル賞に選定しました」と鉄道友の会はコメントした。
ただし、宇都宮ライトレールについては、「改善を望む」意見付きのコメントが盛り込まれた。
『IC乗車券用の乗降読取機が車両側に設備されていることは評価できるが、実際の運用で、IC乗車券を持たない乗客の乗降に時間を要して遅れが生じる事態が発生した。駅等の地上側設備や乗車券システム全体の改良など、信用乗車の今後に向けた検討が望まれる』
『現在は、軌道法による制限のため最高速度は40km/hに抑えられているが、今後、運転速度の向上が期待されている。本車両の運転最高速度は70km/hとされているが、高速域での走行安定性に改良の余地が感じられるので、今後の改善努力が望まれる』としたコメントを発表しており、異例の意見付きでの発表となった。
なお、2024年でブルーリボン賞は第67回、ローレル賞は第64回となる。
【「400系」画像提供:伊原薫】