小田急電鉄、新型ロマンスカーは「水」をテーマに、車両開発コンセプトは「きらめき走れ、ロマンスカー」。伝統の展望席の設置も

小田急電鉄は、開発を進める新型ロマンスカーについて、開発コンセプトや車両形式などを発表した。

新型ロマンスカーは、50000形「VSE」の(精神的な)後継として、開発が進めれられている車両。開発コンセプトは「きらめき走れ、ロマンスカー」。多摩川をはじめとした多くの河川、富士山を望む箱根の芦ノ湖、相模湾といった、グループの事業エリア周辺にある「水」と関連した風景に恵まれており、人・地域・自然をつなぐ存在となるべく、「水」をテーマに開発を進めているという。

車両形式は、「80000形」。編成両数は7両で、台車方式はボギー車とし、箱根登山線へ乗入可能な車両仕様になる予定で、「次の100年においても自然と共存共生できる」高い環境性能や、メンテナンスの省力化が実現できる機器を導入する。

VSE(50000形)の後継として位置付ける車両は、ロマンスカーの代名詞ともいえる展望席を設け、この展望席と、その上に位置する運転席を雫のような大型の曲面ガラスで一体的に包むデザインとする。用途や気分により選択が可能な複数の座席種別を設けるほか、沿線の風景を楽しめる大型の窓を設置する。

車体カラーは、水の清らかさを感じさせ、シーンによって見え方・感じ方が変わる「淡い水色」を基調に、車両連結部には「バーミリオンオレンジ」を施すことでロマンスカーの伝統を継承する。 また、窓下などの車体側面には、水面の波紋を想起させる「ゆらぎ」を設け、瑞々しさと柔らかさを表現する。

車両デザインは、開発コンセプト策定にも携わった「㈱COA一級建築士事務所」が担当し、車両製造はこれまでのロマンスカーと同様に日本車輛製造が手掛ける。

新型ロマンスカーの「80000形」は、VSE(50000形)の後継として位置付けれれており、30000形「EXE」の代替として導入される予定。小田急電鉄は、今後、車両の詳細設計に着手するとともに、車両製造に向けた社内手続きも順次進めていくとしている。