小田急電鉄は、白いロマンスカー「VSE」(50000形)について、「ロマンスカーミュージアム」において展示を決定したことを発表した。
ロマンスカー「VSE」(50000形)は、2005年にデビューした車両で、先頭車両の展望席やシートオーダーサービスなど人気を博した車両だったが、2022年3月に定期運行を終了し、2023年12月に完全引退した。
展示はロマンスカー「VSE」50001編成のうち、運転席を含む展望車両を展示するという。

展示場所は、10000形「HiSE」や20000形「RSE」が展示されるロマンスカーギャラリー奥の中央に配置し、車内を歩きながら見学できるよう「見学ルート」を設定する。これは車両の横に新設する階段を上がり、展望席付近にある非常用扉から乗車し、車両連結部にある車掌室を通り抜けて降車するルートで、「VSE」 ならではの高いドーム型の天井や、沿線風景を楽しめるように角度を付けて設置した 座席など、その特長を間近に見学できるようにするという。 なお、50001編成のうち展示対象となる先頭車両以外は廃車解体するとしている。
また、「VSE」 の展示開始にあわせ、『“VSEの乗務員になれる!”』をコンセプトにした日付限定の体験型イベントを検討しており、電動はしごを展開して運転席に上り VSE 運転士目線を体験したり、車掌室では扉の開閉やアナウンスを体験できるほか、ロマンスカー乗務員が従前着用していた専用制服のレプリカも貸し出などを行う予定している。
ロマンスカーミュージアムでの展示開始は、2026年3月下旬を予定。なお同館は、「VSE」の搬入工事と館内整備の実施にともない、2月下旬から3月下旬まで休館する。
「VSE」は、50001編成と50002編成の2本が製造された。小田急電鉄は、2本の「VSE」は社員からの思いも非常に強く、「その軌跡を残す最適な方法を検討するため」、最終運行日から動態保存してきたとという。残る50002編成についても、今回展示が決まった50001編成の先頭車と同様、「たくさんの思い出が詰まっている車両」と捉えているといい、「引き続き、お客さまの声を大切にしながら、VSEの軌跡を楽しんでいただけるような企画の検討を行いたい」と話した。


