西日本鉄道は、初の食事を楽しめる観光列車として地域を味わう旅列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」を2019年3月23日から運転を開始した。「LOCAL to TRAIN~街を繋いできたレールは人をつなぐ時代へ~」というコンセプトのもと、地域の人々やクリエーターと一体となって沿線の素晴らしいものや知らざる魅力を発掘し、発信していくことで沿線地域の活性化や価値向上に取り組んでいる。
2019年2月1日、筑紫工場において地域を味わう旅列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」お披露目記念式典を開催した。
車両は既存の6050形4両固定編成を3両編成52席に大規模改造を実施して車両が完成した。1号車 ク6053 定員22人、2号車 モ6353 定員8人、3号車 ク6553 定員22人の旅客定員は52人。
1号車はテーブルや椅子、建具などの家具は生産高日本一を誇る「家具の街・大川」で作られている。
2号車は「窯」を中心とした大型キッチンを設置、アツアツのピザを味わえる列車は全国でも「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」だけ。実際に線路に敷いている「バラスト」と呼ばれる石を砕いてタイルにしてオープンキッチンのカウンターに使用している。
3号車は天井に八女の竹を使用した竹編みを使用。福岡県の伝統工芸である久留米籃胎漆器の職人が全て手作りで編み上げている。客室・デッキ・トイレの照明は全てLEDとし、3000Kの暖色系で統一した。
運転室はドイツの自動車・鉄道・航空機などに使用しているレカロシートを設置している。
次世代半導体素子SiCを採用、省エネ機能を向上させた車両制御装置VVVFと補助電源装置SIVで両装置ともバックアップ機能を有している。
外装は「赤いチェック柄がかわいいキッチンクロスをモチーフに美味しさと清潔感を表現したデザイン」福岡南央子氏がデザインした。
2019年3月23日、運転開始を記念して西鉄福岡(天神)駅において出発式を開催した。
出発式では倉富純男西日本鉄道代表取締役社長執行役員、江口勝福岡県副知事、中尾昌弘大牟田市長、楠田大蔵大宰府市長、金子健次柳川市長、吉元博文九州運輸局次長、中村貞裕トランジットジェネラルオフィス代表取締役社長の7名によりテープカットを行い、運転開始を祝った。
「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」乗車スタッフにより出発合図を送り、一番列車が西鉄福岡(天神)駅を出発した。
取材日・取材場所:2019年2月1日 筑紫工場・2019年3月23日 西鉄福岡(天神)駅
【取材協力:西日本鉄道】