新京成電鉄は、14年ぶりとなる新形式車両80000形を2019年12月9日、くぬぎ山車両基地において報道関係者に公開した。
外観はボディ上部にコーポレートカラーであるジェントルピンクのラインを配し、実用本位を基本としながらやわらかさも醸し出す丸みを帯びたデザインは新京成電鉄が掲げるスローガン「まいにち、ちょっと、新しい。」を表現した。
京成グループの標準車両として京成電鉄と共同で設計した車両の80000形は6両1編成を導入した。
車内の座席は背もたれを175ミリ高くするなどの改良を図り、袖仕切りは大型化するとともにガラスを採用し、開放感を持たせた。ドア横には新京成の伝統である鏡を取り付けた。
優先座席の背もたれにハート柄で青色に色別し、車いすやベビーカーの利用や手荷物の多い旅客に配慮したフリースペースを中間車に設置、先頭車には従来と同等の車いすスペースを設置した。
防犯カメラを1両あたり3台設置、車内案内表示器は17インチLCD(液晶)車内案内表示器をすべてのドア上に設置し、4カ国語で表示することで案内機能をさらに充実させた。
乗務員室は8900形更新車をベースとしたタッチパネル式モニタ装置を採用、行先表示器や放送装置が自動で制御されるようになっている。ブレーキ段数を従来の5段から7段にすることで乗り心地の向上を図っている。
「~受け継ぐ伝統と新たな価値の創造~」をコンセプトにこれまで積極的に採用し続けた先進的な技術を核とし、更なる安全性、快適性、バリアフリー機能の向上につながる設備や最新の省エネ機器を導入した。
主回路装置は8800形リニューアル車より採用しているフルSiC素子適用VVVF制御装置を採用し、N800形と比較して大幅な消費電力の削減を実施した。主電動機は全閉式とし、騒音の低減と省メンテナンス化を図った。
ブレーキ装置は編成全体で演算されることで回生電力を有効活用、天候に影響されない安定した制動力を得られるようになった。電動空気圧縮機はオイルフリータイプを採用し、メンテナンスの効率化と環境負荷の低減を図った。
取材日・取材場所:2019年12月9日 くぬぎ山車両基地
【取材協力:新京成電鉄】