【東京地下鉄】東京メトロ南北線9000系が2両増結で8両編成に 12月16日から運行開始へ<Photo report>

東京地下鉄(東京メトロ)は、南北線9000系車両の8両編成での営業運転開始を前に、新造車両を2両増結し、8両編成化した最初の車両を報道陣に公開した。

■8両編成化への目的とは
南北線の輸送力増強による混雑緩和を図るため、8両編成の運行に対応したホーム延伸等の設備工事を実施。2022年4月から相互直通運転を行う他社所属による8両編成の運行をスタートしており、運行数を増加させるため、南北線9000系の大規模工事と同時に新造車の2両増結工事を実施した。8両編成化により定員は882人から1200人にへと増えたことから、輸送力が増強する。

■増結対象の車両は?

新造車の増結車両

9000系は1990年に登場。登場から長らく経年している車両でもあることから、増結対象は1995年以降に製造された2~4次車の13編成に中間車の2両を増結し8両編成とする。また、13編成は中間車を増結するだけでなく既存の6両も同時に大規模改修を実施する。

■新造された中間車(2両)とは?

新造車の増結車両(4・5号車)
既存車(左)と増結車(右)

既存の6両編成の中央に増結するもので、4・5号車として8両編成に増結。設計の基本は千代田線用16000系をベースとしている。

車内は、内装を寒色系のシートモケットを採用し、袖切りに木目板とガラスを採用した。従来の車両と統一感を持たせつつも新造であることのアピールし斬新かつ開放感のある車両とした。

■車両の大規模改修

新造した中間車も含め、車内セキュリティカメラ・脱線検知装置を搭載するほか、扉上へのデジタルサイネージの搭載、車いすやベビーカーの利用者などに配慮し、車端部に各車1か所ずつフリースペースを設置。また、電動車のVVVFインバータ制御装置はフルSiC(シリコンカーバイド)素子、主電動機は全閉型高効率誘導電動機を採用し、消費電力量を軽減。補助電源装置(SIV)も新世代ハイブリッドSiC素子を適用し、消費電力装置の軽減および省スペース・軽量化を図っている。

新造した中間車を含めた南北線9000系の8両編成での運行開始は、12月16日より営業運転を開始。今後も順次他の編成において8両編成化を進めていく。

【取材協力:東京地下鉄(東京メトロ)】