京王電鉄は、3月8日、9000系10両編成リニューアル車両の1編成目を報道関係者に公開した。
9000系は2000年12月に営業運転を開始し、8両編成と10両編成が活躍。10両編成は、2006年1月から都営新宿線への乗り入れ車両と営業運転を開始し、約20年の間、京王線や都営新宿線などで活躍している。
9000系10両編成リニューアル車両の1編成目(9731編成)は、「サンリオキャラクターのラッピングトレイン」として運行を開始するもので、車内はリニューアルに伴う新たなデザインが採用された。
■どんなリニューアルが行われた?
9000系10両編成のリニューアルは、内装のデザインを刷新。天井から床までをモノトーンに統一し、スタイリッシュでモダンな空間を演出した。



床から天井に向かって段階的に明るくなるよう配色することで、限られた空間を広く見せるよう工夫。様々な移動ニーズに対応できるよう全車両にフリースペースを設置したほか、「都会的で飽きのこないデザイン」に仕上げることで、時代が変わっても愛される車両を目指したという。長きにわたって快適に利用してもらうことをめざし、座席や床など日頃から利用する部分を刷新した。また、リニューアルに合わせ、環境性能をさらに高めるため、走行用の機器も従来のものから更新。消費電力のさらなる削減や車両の軽量化によるカーボンニュートラルの推進を図るとし、さらに高める施策としてフルSiC素子を用いた新型のVVVFインバータ制御装置を導入、SIV装置(補助電源装置)も更新し、省エネ性能のさらなる向上を図る。
●座席

・座面は、八王子市の伝統工芸品である多摩織物をモチーフとし、繊細な手触りや感触をイメージしたデザインに変更。背摺りは、商業施設や高層ビルが立ち並ぶ景観をイメージした幾何学模様を採用し、生地にグラデーションを使うことで、郊外から都心へと移り変わる街並みの明るさを表現した。
・2026年初めに導入を予定する2000系の設計を活かし、一般座席の縦握り棒を増設。優先席にの縦握り棒には滑り止め加工が施された。

■9000系10両編成リニューアル車両の今後
9000系10両編成編成リニューアル車両は、3月10日より「サンリオキャラクターのラッピングトレイン」として営業運転を開始し、今後は年に2本程度のペースでリニューアルを進めていくといしている。京王電鉄は、2編成目以降も既存の車両とリニューアルした車両であることが利用者にわかるよう、車両外観になんらかの変化を加えることも検討していると話した。また、9000系8両編成のリニューアルについても現時点ではまだ何も決まっていないが、今後検討すると話した。
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【取材協力:京王電鉄】