鉄道友の会は、「2025年ローレル賞」を発表し、近畿日本鉄道「8A系」と福岡市交通局「4000系」をローレル賞(優秀車両)に選定したことを発表した。
鉄道友の会「ローレル賞」は、選考委員会の選んだ候補車両に対する会員の投票結果にもとづき、審議を経て最優秀と認めた車両を選定、2025年で第65回を迎えた。
■ローレル賞:近畿日本鉄道「8A系」

近畿日本鉄道の新型一般車両「8A系」は、2024年10月7日から営業運転を開始。『ご利用いただくあらゆる方に使いやすく、お客様と地球環境に優しい車両を目指しました』というコンセプトをもとに、ベビーカーや大型荷物を持ち込む利用者も着席して過ごせるスペース「やさしば」を1両あたり2か所設置が特徴となっている。
「8A系」が選定された理由について、『友の会会員による投票において支持率が高く、また、近畿日本鉄道の次世代を担う一般形車両として、極めて高い運用の汎用性、柔軟性と高レベルな客室サービスを実現しつつ、新たな標準化を目指した車両として高く評価した。』とコメントした。近畿日本鉄道では、22600系以来15年ぶり5回目のローレル賞の受賞となった。
■ローレル賞:福岡市交通局「4000系」

福岡市交通局の「4000系」は、福岡市地下鉄空港線・箱崎線の新型車両として2024年11月から営業運転を開始。1000N系の置換え用として投入され、設計コンセプト「一人ひとりにやさしい移動空間」を実現すべく、「質の高いサービス」「静かさ」「安全・安心の確保」「省エネ・省メンテナンス」を設計ポイントとしている。
「4000系」が選定された理由について、『設計コンセプトを「一人ひとりにやさしい移動空間」とし、各号車に優先スペースを設けるほか、6号車には子連れの方や大きな手荷物をお持ちの方が利用しやすいフリースペースを設置しています。また、世界で初めて本格導入した同期リラクタンスモータやリンク式片軸操舵台車など新たな技術も積極的に採用しています。これらをふまえ、シンプルな機能美の中に、新たなデザイン・技術をバランスよく搭載し、乗客の快適性に最大限配慮した次世代の地下鉄車両として高く評価されました。』とコメントした。福岡市交通局では、空港線1000系、平成18年(2006年)に七隈線3000系以来3度目のローレル賞の受賞となった。
【8A系走行写真:伊原薫】
【4000系画像:福岡市交通局】


