【九州旅客鉄道】久大本線(ゆふ高原線)を走る新しいD&S列車「かんぱち・いちろく」が初公開 4月26日から運転を開始へ<Photo report>

九州旅客鉄道(JR九州)は、久大本線(ゆふ高原線)を走る新しいD&S列車「かんぱち・いちろく」の完成披露会を4月19日に開催した。

■新D&S列車「かんぱち・いちろく」はどんな車両??
「かんぱち・いちろく」は、久大本線全線開通の実現と現在の久大本線を形作ることとなった歴史的にも縁深い、麻生 観八氏、衞藤 一六氏の名前から列車名を命名したという。
車両のデザインは、鹿児島のデザイン会社IFOOが担当し、車両は3両編成。1号車と3号車はキハ47形「いさぶろう・しんぺい」車両、中間車の2号車はキハ125形を、それぞれ改造した。

●車両の外観

重厚感があり艶のある黒を基調としたデザインに、車体には久大本線(ゆふ高原線)の路線図(久留米駅~大分駅)をモチーフにしたゴールドライン、上下には久大本線(ゆふ高原線)の駅名によるエッジラインを配置。車体にゆふ高原線沿線の景色が映り込むことで、車両全体で雄大な風景を表現した。

●内装・レイアウト
車両は3両編成で全席グリーン席となっており、座席車両となる1号車には、畳個室・ソファ席も設け、BOX席を設置した。2号車はラウンジ、3号車は畳個室とBOX席を配置。定員は、編成全体では60名となっている。また、座席から沿線の景色を望めるよう大きく窓を配置し、座席周りの快適空間を演出した。

・1号車

大分・別府エリアの風土をモチーフとしたデザイン。火山や温泉を想起させ、大分の県旗にも使われる赤をベースとした温かい色味の赤をベースとしたシートとなる。テーブルには大分産の杉を用い、天井や手摺も杉板で統一した木の温かみのある客室を演出した。3名用ソファ席が5席に、4名BOXが1席、6名BOX席が1席のほか、畳個室が設けられ定員は31名。

・2号車

2号車には共用スペースとして「ラウンジ杉」を配置した。由布院・日田エリアの風土をモチーフにデザイン。樹齢約250年の杉の一枚板カウンターと日田の底霧をイメージした天井が天領地であった日田の豊かな自然を表現し、落ち着きのある洗練された雰囲気を演出。一枚板カウンターの端部にはミラーサイネージを設置し沿線の紹介動画等を放映する。また、ビュッフェを兼ね備え、久大本線(ゆふ高原線)沿線の食べものや飲みもの、列車のオリジナルグッズなどの販売を予定する。

・3号車

福岡・久留米エリアの風土をモチーフとし、沿線の雄大な平野や山々を想起させる緑と、福岡の県章にも使われる青をベースとした落ち着いた空間を演出した。テーブルには福岡産の杉を用いていて、2~4名でゆっくり過ごせる半個室型のBOX席を設置したほか、子ども連れや家族、グループなどで利用可能な畳個室を配置、プライベート空間が確保されている。4名BOX席をが3席、3名BOX席が1席、2名BOX席が4席のほか、畳個室が設けられ定員は29名。また、車いす対応席を配置した。

「かんぱち・いちろく」は、久大本線(ゆふ高原線)の博多~由布院・別府間に導入するD&S列車で、博多駅から湯布院・別府駅方面を特急「かんぱち号」、別府・湯布院から博多方面を特急「いちろく号」として運転する。運行日は、1日ずつ交互に運転するもので、特急「かんぱち号」は月・水・土曜日、特急「いちろく号」は火・金・日曜日に運転。運転開始日の4月26日は、別府発の博多行きの特急「いちろく号」から運転を開始する。

【取材協力:九州旅客鉄道(JR九州)】