【西日本旅客鉄道】特急「やくも」に投入する新型車両「273系」を公開 2024年春以降に運転開始を予定<Photo report>

西日本旅客鉄道(JR西日本)は、2024年春以降に山陰・山陽エリアを結ぶ特急「やくも」に投入する新型車両「273系」を報道関係者らに公開した。

デザイン監修は、イチバンセン代表の川西康之氏と近畿車両デザイン室が担当した。「273系」が走るエリアの社員の意見も反映しつつ、この車両のデザインを考案したという。また「273系」は、新たに開発・実用化した国内初となる「車上型制御付き自然振り子方式」となっており、カーブの多い伯備線に適したものを採用、乗り心地の向上を図った。

【「273系」の外観】

デザインコンセプトは、「山陰・伯備線の風景に響き、自然に映える」を目指し、「鬱金(うこん)色」「黄金(こがね)色」「銅(あかがね)色」「赤銅(しゃくどう)色」のグラデーションからなる「やくもブロンズ」でデザインされた。新たにデザインされた新しい「やくも」のロゴマークも車両先頭や側面において見ることができる。

【「273系」の車内】
デザインコンセプトは、「山陰に我が家のようにくつろげる、ぬくもりのある車内」。LEDによる間接照明や、木目調の床模様により、暖かみを演出した。
<グリーン車>

明るく空間の広がりを感じられる黄色ベースに、 富と長寿の象徴とされる亀の甲羅をイメージした「積石亀甲」模様をあしらい、 亀にまつわる伝説や地名が多い山陰の文化・風土を演出。足元にはフットレスト、可動式枕を採用し、各座席にコンセントを設置するなど快適性を向上させた。

<普通車>

沿線の山々をイメージした緑色ベースに、 古来から神事に用いられ、 人を守る魔除けの意味もある「麻の葉」模様をあしらい、 沿線の自然・風土を演出。可動式枕を採用し、各座席にコンセントを設置した。

<グループ席・セミコンパートメント>

「273系」では、グリーン車と同じ1号車に新たにセミコンパートメントを設置。2人用と4人用のボックス席を設置し、大型テーブルや簡易的な仕切りが設置されたほか、座面をスライドさせることができ、フラットにすることも。普通車指定席料金と同額で利用ができる。ただ、2人用は2名、4人用は3~4名でのグループ利用の場合に限り発売を行う。

特急「やくも」に投する新型車両「273系」の運行区間は、岡山駅~出雲市駅を予定し、投入車両数は44両(4両×11編成)。2024年春以降営業運転開始を予定する。

【取材協力:西日本旅客鉄道(JR西日本)】